緊急掲載!!
ジョー・グレイザー B-Bender Unit

文:成田 安宏


写真(1) 構成されるパーツ群(左上より時計廻りに)
ネックポケットの裏に仕込まれるベンディングレバー、ベンド幅調整ビス、左下まで長く
伸びたスプリング、可動ブリッジピースを仕込む為に2弦部分にスリット加工が施された
ブリッジプレート、スプリングのテンション調整ビスとそれをボディーエンドよりねじ込み
固定するアンカーナット、そして可動ブリッジピース。


   写真(2)             写真(3)  


写真(4)             写真(5)           写真(6)

 

御覧の通りスプリングの片側には穴の開いたパーツが埋め込まれその部分に可動ブリッジピース
のピンの部分を通す。ブリッジピースの構造は弦のボールエンドを引っ掛ける構造といい、ペダル
スティールのブリッジピースと非常に良く似た構造である事がお分かり頂けるだろうか。写真(4) 
 そのままストレートに長く伸びたスプリングの先端はフック状になっており、このフックを
ベンディングレバーの穴に通す。写真(5)

ギターのネックを押し下げる事によってショルダーストラップを装着したベンディングレバーは
時計廻り(右方向)に数10度回転し、長く伸びたスプリングの先端フックは引っ張られ、スプリング
の片端に差し込んだ可動ブリッジピースの駒部分は前後運動する。よって弦が引っ張られる訳である。
スプリングの反対側(ボディーエンド側)の先端に埋め込まれたアンカーによってスプリングの
テンション調整ビスを装着する。写真(6) 
下の図(1)のようにスプリング、スプリングテンション調整ビスはボディーエンド
からネックポケット下まで一気に貫かれたドリル穴に通され、スプリングテンション調整ビスに
通されたアンカーナットによってボディーエンドの10・ドリル穴にねじ込まれる。


図(1)

尚、Bベンダー(2弦)ユニットとして紹介させて頂いたが、ドリル穴/ルーティング位置の変更
によって他弦の(主に3弦)ベンダーユニットとしても簡単に応用出来る優れたユニットのようだ。
実際、ブラッド・ペイズリー、ジミー・オーランダーを始め、3弦にジョーグレイザー製ベンダー
ユニットを装着している弾き手も数多く見受けられる。
ボディーのルーティング、加工部位もいたって最小限で非常にユニークかつシンプルなパーツ構成で
成り立ったスグレモノであるが、装着に関してはパーソンズ/ホワイト製Bベンダーユニットに負けず
劣らずの高度な工作技術を要求されるユニットである事は否めないようだ。



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